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第7回食品加工雑学講座

皆さんこんにちは!

合同会社Alba、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~歴史~

ということで、食品加工の歴史とその背景について深く掘り下げ、どのように技術が発展し、現代の食品産業へとつながっていったのかを詳しく解説します♪

 

食品加工は、人類が安全かつ効率的に食料を確保し、長期間保存できるようにするために発展してきた技術です。狩猟採集時代から現代の高度な加工技術に至るまで、食品加工の進化は人類の食文化や生活スタイルに大きな影響を与えてきました。


1. 食品加工の起源:生存のための工夫

(1)狩猟採集時代の食品保存技術

食品加工の歴史は、狩猟採集時代(数万年前)までさかのぼります。人類が定住する前は、狩りや採集で得た食料をすぐに消費しなければなりませんでした。しかし、保存技術が発展することで、食料の確保がより安定し、定住生活への道を開きました。

当時の保存技術としては、以下のような方法が考案されました。

  • 乾燥(天日干し):肉や魚を乾燥させることで、水分を抜き、腐敗を防ぐ技術。
  • 燻製(スモーク):火を使って肉や魚をいぶし、保存性を向上させる方法。
  • 塩漬け:塩をまぶすことで、食品内の水分を減らし、細菌の繁殖を抑える技術。

これらの技術は、後の文明が発展するうえで非常に重要な役割を果たしました。


2. 古代文明と食品加工の発展

(1)メソポタミア・エジプト文明の食品加工

農耕が始まり、文明が発展すると、食品加工の技術も飛躍的に進化しました。紀元前3000年頃のメソポタミア文明やエジプト文明では、穀物の栽培とともにパンやビールの製造技術が確立されました。

エジプトでは、ナイル川の水を利用した農業が発展し、小麦を使ったパンや発酵食品の技術が進みました。エジプトのピラミッド建設に従事した労働者には、パンとビールが支給されていたことが記録に残っています。

また、メソポタミアではオリーブオイルやワインの製造が発展し、交易品としても利用されるようになりました。これにより、食品加工が単なる保存のためだけでなく、経済活動の一環としても重要な役割を果たすようになりました。

(2)中国文明の発酵技術の発展

同時期の中国文明では、発酵技術が大きく発展しました。紀元前2000年頃には、醤油、味噌、酒などの発酵食品が作られており、これらの技術は後に日本や朝鮮半島にも伝わりました。

特に、中国では麹(こうじ)を使った発酵技術が発展し、発酵食品が健康や栄養価を向上させることが経験的に知られていました。この技術は現代の食品加工にも応用されています。


3. 中世ヨーロッパと食品保存技術の進化

(1)塩漬けと燻製の普及

中世ヨーロッパ(5~15世紀)では、冷蔵技術がなかったため、食品を長期間保存するために塩漬けや燻製が盛んに行われました。特に、ハムやソーセージの製造技術が発展し、現在でもヨーロッパ各国には地域ごとの伝統的な加工食品が残っています。

また、香辛料が食品の保存や風味向上に有効であることが広まり、インドや中東との香辛料貿易が活発になりました。

(2)砂糖とジャムの発展

大航海時代(15~17世紀)になると、南米やアフリカから砂糖が大量に輸入されるようになり、砂糖を使った保存技術(ジャム・コンフィチュール)が発展しました。これにより、果物を長期間保存する技術が向上しました。


4. 近代の食品加工技術の革新

(1)缶詰技術の発明(19世紀)

19世紀初頭、ナポレオン戦争(1803~1815年)で兵士の食料保存を目的に缶詰が開発されました。フランス人のニコラ・アペールが瓶詰め食品を開発し、その後イギリスでブリキ缶を使った缶詰技術が確立されました。

この技術は、戦争だけでなく、一般家庭や船舶・探検隊でも活用され、食品の長期保存が可能になりました。

(2)冷凍技術の進化(20世紀)

20世紀に入ると、電気冷蔵庫と冷凍技術の発展により、食品の鮮度を保ったまま長期間保存できるようになりました。特に、アメリカの食品企業バードアイ(Birds Eye)が冷凍食品を開発し、市場に広まりました。

冷凍食品の技術革新により、世界中で食料の安定供給が可能になり、加工食品産業が急成長しました。


5. 現代の食品加工と未来への展望

(1)レトルト食品とインスタント食品の普及

20世紀後半には、レトルト食品やインスタント食品が登場し、手軽に調理できる食品が増えました。特に、日本ではインスタントラーメン(1958年、日清食品)が登場し、世界中に広まりました。

(2)食品加工の最新技術

現在では、食品加工技術がさらに進化し、以下のような新技術が導入されています。

  • 高圧処理技術(HPP):栄養価を損なわずに食品を殺菌する技術。
  • 3Dフードプリンティング:カスタマイズ可能な食品の製造。
  • 培養肉・植物肉の開発:環境負荷を減らす代替タンパク質の研究。

6. まとめ

食品加工は、人類が生きるために必要不可欠な技術として発展してきました。狩猟採集時代の乾燥・燻製から始まり、古代文明の発酵技術、中世の保存技術、近代の缶詰や冷凍技術、そして現代の最先端技術へと進化してきました。

これからも、食品加工技術は環境問題や食糧危機への対応としてさらなる進化を遂げ、より持続可能で健康的な食文化の実現に貢献していくでしょう。

 

 

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